「暴君の行方」98話のあらすじやネタバレ
ジエンの想い
ジエンは前世の記憶が蘇ります。
他国の王と王子たちを滅ぼし、「彼女」を帝国に連れ帰ったこと。
何を与えようが、何を言おうがまったく反応しない「彼女」に腹が立ってあばれたこと。
それでも何度も「彼女」の元に行き、冷戦を繰り返したこと。
やっと気がついた…。
あまりにも幼稚な帝国の支配者だった前世の私は、「彼女」が好きだったんだ…。
献上物としてやってきた最初の女と、妃にして欲しいと頼まれた迎えた3人目の女とは違い、「彼女」は自らが唯一望んで迎えた人だった。
ナセルと唇が離れた瞬間、何とも言えない気持ちになるジエン。
(バカ!!愛を知るために生まれ変わるなんて!)
ナセルは自分の行いを謝ります。
ごめん、別れの挨拶なのに度を過ぎてしまった…。
いいえ、最後なので気になさらずに、公子様。
(前世の私が持っていたものを、全て彼女たちにあげることができて、むしろ良かった)
(もう公子様は私の手の届かないところにいる)
最後か…そうか…。
フラフラと会場に戻って行くナセル。
その後ろ姿を目に焼き付けるジエン。
(永遠に忘れることは出来ないかもしれない…)
バーリアの思惑
2人の様子をひそかに中から見ていた皇太子殿下。
そこへバーリアが近づいてきます。
殿下、パーティーが退屈ですか?
何も答えない殿下。
それとも、何か目障りなものでも?
チラっとジエンがいるバルコニーの方に目を向けるバーリア。
少し静かなところに行きませんか?
わかった。
2人はバルコニーに場所を移します。
今でもジエンに対する気持ちはお変わりありませんか?
…恐らく。
バーリアは気づいていました。殿下がジエンに向けてる感情が「殺意」であることに。
今までいくらでも手にかけることは出来たのに、どうしても実行できないベルハルト。
僕が出来ないのなら、誰か…。
目の前にはバーリアがいます。
私は殿下の力になれるのなら、殿下の傍にいる理由もできますので…。
バーリアはベルハルトに利用されたとしても、傍に居たかったのです。
殿下、私の「価値」を証明してみせます!殿下が望むことを成し遂げてみせます!
…あのメイドとは、仲が良かったのではないのか?
何かを手に入れるのに「犠牲」はつきものです。
「犠牲」なくして手に入れられるものはないと、教えてくださったのは殿下ではありませんか?
ベルハルトは一瞬、躊躇しますが、バーリアの言葉に同調しました。
…ああ、そうだ。
「暴君の行方」98話の感想と考察
ジエンの前世の記憶が蘇ってきて、現世でナセル、カールリス、ベルハルトとの関係性もクリアになり、「なるほど!」と思わずにはいられません。
こうやって読んでいくと、一番報われて欲しいのはベルハルトな気もしますが、やっぱりジエンがベルハルトを好きになる可能性は少ないのかな?
現世では「恐怖」の対象になってますしね、ベルハルトとの因縁もこの先、何かのきっかけで解けたらいいなって思います。
それに、ナセルの前世の女性は、前世の王を本当に何とも思ってなかったのでしょうか?
お互いに不器用だったとかはないのかな?
その気持ちが「愛」だと気づかずに、今生に生まれ変わったとしたら、ナセルとジエンが結ばれることが因縁の解消になるのでしょうか?
物語りもそろそろラストスパートです、じっくり見守りたいと思います!