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『どうせ、恋してしまうんだ。』、ついに完結しましたね。
最終回で水帆が選んだのは、幼なじみの輝月でした。
「結果はわかっていた」という方も多いと思います。でも、あらためて振り返ってみると気になりませんか?
「じゃあ、なんで輝月だったの?」と。
深にもプロポーズされて、周吾にも本気の想いをぶつけられて。水帆にとって3人とも、かけがえのない相手だったはずです。
この記事では、水帆が最終的に輝月を選んだ理由を、物語の伏線から3つの視点で考察していきます。
- 「なぜ、どの男の子でもよかったわけじゃなかったのか」
- 「輝月だけが持っていたものって何?」
そんな疑問にお答えします。
決め手① 「誰を待ってた?」深の一言が引き出した無意識の答え
最終回、深は水帆にプロポーズをしました。
自分が医者を目指した理由——それは、水帆の母親が亡くなったとき、「大事な人を守れる大人になりたい」と誓ったからだと明かします。
十分すぎるほど、まっすぐで誠実な愛情です。
でも、深はそのプロポーズのあと、あえて水帆に問いかけます。
「水帆はあの夜、誰を待ってた? 心の中で、誰を呼んでた?」
これは、水帆のお父さんが倒れて病院に運ばれた夜のことを指しています。実はそのとき、輝月がこっそり病院に駆けつけていたことを、深は知っていました。
深自身は、それを黙っていてもよかったはずです。でも彼はあえて水帆に真実を伝え、彼女自身の心に問いを投げかけました。
その瞬間、水帆は自分でも気づいていなかった答えに、はっきりと気づきます。
つまり水帆の答えは、深との対話によって「選ばされた」のではなく、もともと水帆の中にあったものが、深の言葉によって浮かび上がっただけなんですよね。
深が最後まで"いい男"だったのは、自分の想いを通すためではなく、水帆が本当の気持ちに気づく手助けをしたところにあると思います。
決め手② 輝月が見せてきた"言葉にしない愛情"
物語を振り返ると、輝月は基本的に不器用で、自分の想いを積極的に言葉にするタイプではありません。
でも、行動は雄弁でした。
- 水帆のお父さんが倒れた夜、誰にも言わずにひとりで病院に駆けつけていた
- 周吾が水帆への想いを打ち明けたとき、輝月は会社を辞めていたことが明らかに。ロッカーを殴りつけながら「オレが欲しいのは水帆だけなんだ」と涙を流した
- 水帆の前ではずっと、幼なじみとしての距離感を守り続けていた
深や周吾が「言葉」で気持ちを伝えてきたのに対して、輝月はずっと「行動」で示してきました。
これは、恋愛において"言われて嬉しい言葉"より"気づいたときに胸を締めつける行動"のほうが強く残る、というリアルな感覚を描いているように思います。
水帆自身、深にプロポーズされた瞬間ではなく、輝月が見せてきた過去の行動を思い出すことで、自分の気持ちに気づいたわけですから。
決め手③ 10年前から続く"指差し"の合図
最終回のラスト、水泳の試合会場で輝月が水帆に向かって人差し指を差し出すシーンがありました。
これは、10年前とまったく同じ仕草です。
幼い頃からずっと繰り返されてきたこの合図は、2人だけの"約束"のようなもの。深や周吾との関係にはない、輝月と水帆だけの積み重ねてきた時間の象徴と言えます。
三角関係(というよりこの作品は四角関係に近いですが)の中で、水帆と輝月だけが、子どもの頃からずっと"対等な戦友"のような関係を築いてきました。
競泳という輝月の生き方に、水帆がずっと寄り添ってきたこと自体が、他の2人にはない特別な絆になっていたんですよね。
深・周吾・輝月、3人の"愛し方"の違い
ここまでの内容を整理すると、3人の愛し方にはそれぞれ違うタイプがあったことがわかります。
- 深:「守る愛」。水帆の母親の死をきっかけに、自分が水帆を守る存在になろうとした、いわば保護者的な愛情
- 周吾:「見守る愛」。幼なじみとしてずっとそばにいて、水帆が気づかないところで支え続けてきた愛情
- 輝月:「対等に生きる愛」。水帆を守る対象としてではなく、同じ目線でぶつかり合い、競い合ってきた愛情
水帆自身、母親を亡くしてから「守られる側」でいることに、どこかで居心地の悪さを感じていたようにも見えます。
だからこそ、彼女が最終的に求めたのは「守ってくれる人」ではなく、「対等に、まっすぐぶつかってくれる人」だったのではないでしょうか。
輝月が選ばれた理由は、単に「一番好きだったから」というだけでなく、水帆自身が"どう生きたいか"という選択でもあったように思います。
タイトル「どうせ、恋してしまうんだ。」に込められた意味とのつながり
最終回のラストには、こんな一文がありました。
「もう一度あのころに戻れたとしても、この同じ仲間と、泣いて笑ってすごすだろう。そしてまた——どうせ、恋してしまうんだ。」
これは、輝月を選んだことへの後悔のなさだけでなく、深にも周吾にも本気で心を動かされた、あの日々そのものを肯定する言葉だと思います。
「どうせ」という言葉には、"逃れられない運命"というニュアンスがありますが、この作品を最後まで読むと、それがネガティブな意味ではなく「何度巡り合っても、この4人でまたそれぞれに本気で恋をするだろう」という、青春そのものへの肯定に変わっていくのが印象的でした。
まとめ
水帆が輝月を選んだ理由をまとめると、
- 深の言葉によって、自分でも気づいていなかった本当の気持ちに向き合えたこと
- 輝月がずっと"言葉にしない愛情"を行動で示し続けてきたこと
- 子どもの頃から積み重ねてきた"対等な絆"が、他の2人にはない特別なものだったこと
この3つが大きな決め手だったと言えそうです。
とはいえ、深も周吾も、水帆にとってはかけがえのない存在であることに変わりありません。次回予定されているというショートストーリーで、2人にもぜひ幸せな未来が描かれてほしいですね。
アニメ第二期も放送中なので、原作を読み返しながら、動く4人の姿もあわせて楽しんでみてください。