暴君の行方 78話〈前回のお話〉
ヘカテの出生を秘密が明かされた後、光のペンダントの遺言を話すパトリック。
役立つかもしれないとベルハルトは取りに行くのをヴァレノール卿とジエンに命じます。
その頃、カールリスはバーリアの異変に気づいて…?
暴君の行方 79話 ネタバレ
バーリアの言葉に驚いて聞き返すカールリス。
モンスター以外を気にしている余裕はないと言うバーリア。
村人たちだけが住める建物しかないので、逃亡者たちがいなくなるほうがみんなの為だと、何のためらいもありません。
国と大陸のために頑張っている遠征隊の身の安全が一番大事だと言います。
数百年前までは三日月の森のクレセント一族も帝国民だったではないか!とカールリスが反論しました。
水の精霊の力を持つクレセント一族と、逃亡者を比べるなんて冗談じゃないと笑うバーリア。
カールリスはバーリアはこんな人だっただろうかと不安になります。
最初の頃、ジエンのことを身分など関係なく庇っていた人と同一人物なのだろうかと…。
今のバーリアはまるで人の命を物としか考えておらず、何が彼女をそうさせたのか考えます。
まさかベルハルト…!?
カールリスの頭の中に頬を赤くしてベルハルトを見つめるバーリアの姿が思い浮かびました。
パトリックおじさんが案内した墓は…?
この木の根元の穴にあるとパトリックが言います。
こんな穴の中に…?とヴァレノール卿は疑っています。
ジエンも罠かもしれないと警戒すると、ヴァレノールがじっと見てきました。
余計なこと言った!?と慌てるジエン。
私が先に入ってみましょうか…?と誤魔化します。
騎士をバカにするんじゃないと、ジエンには木のそばに居るよう命令して穴に入るヴァレノール卿。
木のそばに腰をおろしてため息をつくジエン。
私を消したいならパトリックに殺させてたら良かったのにとヴァレノール卿のピリピリした空気に耐えられなくなっていました。
すると、パトリックが急に走り出します。
おじさん!どこに行くの!?と呼びかけ、ヴァレノール卿はどうするんですか?と尋ねると、笑い出すパトリック。
あいつは死んだよ!あの木はモンスターで、根っこで人や魔物を攻撃して魔力を吸い取るんだとジエンに教えます。
木の皮も固いからマナを込めた剣でも切れないし、神聖力で無効化しない限り生きては出れないと。
やっぱり罠だったんだと思うジエン。
パトリックはヘカテにもヘカテの母親にも興味がないし、死んだ人間に借りなんて返すわけがないと笑います。
騎士は始末したから、あとはヘカテやお前たちを殺すだけだ…。
ジエンはゆっくり弓を引きました。
パトリックの足に弓矢が命中します。
驚くパトリック。
さらにもう1本、弓を引くと、パトリックは俺と協力しようと言ってきました。
ジエンは聞く耳を持たず、またパトリックの足に弓を引きました。
とりあえず、これで村に戻れないだろうと、人を攻撃したのに冷静なジエン。
とにかくヴァレノール卿を助けないと!と木の穴に入っていきました。
頑なにジエンの助けを拒む理由は…?
木の根はジエンから逃げていくように動きます。
抗魔力の効果なのかな?と思いますが、ヴァレノール卿という餌があるから興味がないのかもと思って、辺りを見回すと…。
根っこで何重にも巻かれた隙間から手が見えました。
近寄るとヴァレノール卿が苦しそうにうめいています。
私にかまわず、おまえは村に戻ってパトリックは裏切り者だと伝えろと言うヴァレノール卿。
ジエンはパトリックは私が足を撃ったから村には戻れないと言いながら根っこをメリメリと引き剥がしています。
それでも行けと言っているだろうと強気にヴァレノール卿。
自分は平気なのにどうしてですか!?とジエンも負けていません。
メイドの力を借りるくらいなら死んだほうがましだと言うヴァレノール卿。
この言葉でついにキレたジエン。
私の身分なんて今はどうだっていいでしょう?このままでは死んでしまうと訴えます。
苦しく息をしながら、私はヴァレノール一族のたった一人の跡継ぎなんだと目もうつろになるヴァレノール卿。
才能と努力で認められた人がどうしてそんなに身分に執着するのかなぁ…とメリメリ根を剥がします。
努力してきたからこそ、ここでメイドを力を借りるわけには…と気絶してしまいました。
ヴァレノール卿が気絶しているうちに根っこを全部剥がすジエン。
助け出したヴァレノール卿を担いで、光のペンダントもちゃんと確保します。
これで少しは褒めてもらえるかな?とその場を離れるジエン。
外に出るとヴァレノール卿が意識を取り戻しました。
急いで村に戻るぞと、立ち上がるヴァレノール卿。
ジエンはさっき穴の中で話した会話の続きをします。
ヴァレノール卿は跡継ぎの座を守らないといけない考えのようですが、カールさんはヴァレノール卿は後を継ぐことを望んでないと教えてくれたと話します。
それを聞いて、カール兄様がそんなことを…と額に手を当てるヴァレノール卿。
確かに自分は後を継ぐことを望んではいないと言います。
客人の訪問に浮かれて、ヴァレノール公爵の前で自慢げに剣を振り回していなければ…と首都に来てからも後悔したこと。
ヴァレノール一族には凄腕の弟子が二人いて、彼らに殺されないためにも強くなるしかなかったことを話します。
それはヴァレノール卿が自分の命と自分の座を守るためには必要なことだったのでした…。
暴君の行方 79話 感想と考察
バーリアの様子がおかしいと気づいたカールさん。
どうしてなんだろうと考えた末、ベルハルトのせいだと気づきましたね!!
おちゃらけてるだけではなかったカールさん。
ただ、気づいたところで…ですよね?
ジエンを危険に晒しているわけではないですし、ベルハルトが2人いるようなものですが、ベルハルトはジエンに興味があるので殺したいとは思ってないはず…。
となるとジエンを殺したいと思っているのはやっぱりバーリア?
そんなに殺意を抱くほど?とは思いますが、恋は盲目ということでしょうか…?
そして、やっぱりパトリックおじさんの罠でしたね!
でもヘカテのお母さんは眠ってたので、場所は間違ってなくて良かったです。
頑なにヴァレノール卿がジエンの助けを断るには何か理由があったんですね。
真面目な人なんだ…。
でも言葉がきついからジエンも怖かったことでしょう…。
ジエンがカールさんから聞いていたヴァレノール卿のことが、少しだけ役立って良かったです。
これで、ジエンを殺したい人はヴァレノール卿は外れましたね。
この2人、まさか仲良くなる…!?