「暴君の行方」88話のネタバレ
魔王の生まれ変わりはジエン？
部屋に集まったベルハルトたち。
ナセル公子が魔王城で魔王と話した内容をみんなに伝えました。
魔王の生まれ変わりか…とヴァレノール卿。
魔王って言っても、あんまり邪悪な存在じゃなさそうだなとカールリス。
そうです、問題は魔王の生まれ変わりではなく、魔族の頃から人間を嫌っているジェラドでしょうとナセル。
ただ、彼が三つの神器と魔王の生まれ変わりを手にするまでは攻撃はされないでしょう。
嫌いな人間に生まれ変わってまで、魔王を探しているのが無駄になってしまいますから。
そういえばと言って、ジエンを見るベルハルト。
ジェラドという奴は、お前をとても慕っているように見えたが？
ギョッとするジエン。
まさか、魔王の生まれ変わりなのか？とヴァレノール卿。
ジエンは首を横にブンブン振ります。
その時、まだフラフラしているヘカテが部屋に入ってきました。
殿下、ジエンは魔王の生まれ変わりなどではありません。
ヘカテ！と喜ぶジエン。
極秘事項を話し合うから部屋には誰も入れるなと言ったはずだが？
しかし、司祭様が神聖力をお使いになって…。
魔王の生まれ変わりに関するお告げ
ヘカテは再度、ベルハルトに申し立てます。
ジエンは魔王の生まれ変わりではありません！
根拠はあるのか？
かなり昔に、魔王の生まれ変わりに関するお告げがあったからです。
えっ？なぜそれを神殿は帝国に報告しなかったんだ？とカールリス。
お告げの中には、最初は意味がわからないものがあるからです。
お告げに時期がくると、意味がわかってくるのです。
なら、そのお告げが魔王のものだとする証拠は？とベルハルト。
『最も古い存在がついに仮面を新調し微笑む 新たな仮面は過去の仮面に酷似していて快適に暮らせるだろう』
静まり返る部屋。
『最も古い存在』っていうのは魔王のことだとして、新しい仮面が生まれ変わりの体を指すのなら、その後の文章の意味は…と考え込むカールリス。
ヘカテが説明します。
ジェラドと同様に魔王とその魂の魔気は大きすぎるので、魔王の生まれ変わりもただの人間ではないはずです。
魔族の血が混ざった体でなければ、生きられるとは思えません。
…それもそうだな、じゃあジエンが平凡な人間かどうか調べれば…とカールリス。
（えっ!?カールさんひどい！私を人間だと思ってないってこと!?）
（いくら私がちょっと人間離れした体力や怪力だからって…）
カールリス様、お気持ちはわかりますが、ジエンは魔王ではなく他者の生まれ変わりだとわかっていますとヘカテ。
えっ？
ジエンの生まれ変わりに関するお告げもありました。
なので、ジエンは魔王の生まれ変わりではございません。
えっ？ジエンってそんな重要人物だったの!?と驚くカールリス。
（ヘ、ヘカテ、それって極秘情報じゃないの…？）
おろおろしているジエンをなぜかみんなが見てます。
《ジエンが重要人物…？》
《こんなやつが…？》
だから、ジエンは魔王に生まれ変わりでは絶対にありませんとベルハルトに伝えるヘカテ。
ベルハルトの感情があらわに？
わかった、お告げの内容までこと細かく覚えているそなたの記憶力を褒めるとしよう。
だが、もし光の神殿に確認して事実と異なることがあれば、そのときは覚悟しろ。
はい、一文字でも間違っていましたら、いかなる処罰もお受けいたします。
（えっ！一文字くらいは許してもらいなよ！）
ヘカテが心配でつい、眼力でヘカテに訴えるジエン。
（ジエン、どうか大人しくしてください…）
そんな2人の様子をじっと見ているベルハルト。
それよりもまだ顔色が悪いのに、友人の弁護をしにここまで来るなんて、そなたたちは本当に仲がよいのだな。
どこか不機嫌そうに見えます。
ヴァレノール卿は驚きを隠せません。
（殿下が公の場で感情をお出しするなんて…）
カールリスも同じことを思っていました。
（ベル…どうして今まで誰にも見せたことのない感情を露見させるんだ？）
（それもジエンに対してだけ…）
それよりも…と、チラッとバーリアを見るカールリス。
’頭のいいバーリアがベルの普段と違う姿を見過ごすわけはないはずだが、どうしてあんなに穏やかな微笑みを浮かべているんだろう…？）
ジェラドの目的とは？
陛下には何者かが光の神器で魔王を復活させようとしていることのみ伝えるとヘカテに言うベルハルト。
実は、ジエンに関して報告を保留にしないといけないことがもうひとつあると言うヘカテ。
なんだ？
狩猟大会のとき、ジェラドは神器を狙って攻撃をしてきましたが、ジエンには友好的な態度を見せていました。
僕たちがジエンを恐れるように仕向けているということか？とベルハルト。
（えっ？そうだったの？私はてっきりジェラドが空気読めないんだと思ってた…）
そうです、あのときのジェラドはジエンは特別な存在であるという振る舞いをして立ち去りました。
ジエンを魔王だと誤解させて何がしたいんだ？とカールリス。
魔王が消滅ではなく、人間への生まれ変わりを望んだのなら、人間の暮らしに憧れがあったからだろう。
それなのに、憧れていた人間に背を向けられて命の危機に瀕したときに、魔王を救う従順なジェラドという筋書きだろう。
魔王が人間に失望すれば人間界を荒らす理由にもなるとベルハルト。
ジエンを魔王の生まれ変わりだと信じていたとしても、それはジェラドの誤解です。
もしかしたら、ジエンに抗魔力に気づいて、人間界を荒らすときに邪魔になりそうな強敵だから消そうと思ったのかもしれません。
いずれにしても、ジエンを人間の敵にしようとしたことは間違いないでしょうとヘカテ。
またジエンのことをじっと見るカールリスたち。
（魔王の生まれ変わりだと誤解してしまう人物？邪魔になりそうな強敵？）
（こいつが？）
また不審な目を向けられていることに耐えられなくなったジエン。
ヘカテの言う通りかもしれません！
スッと立ち上がります。
なぜなら、私は光の…。
（こうみえて光の神器と会話できるんだから…！）
ジエン!!
ヘカテがそれ以上、何も言わないように止めます。
（死ぬまで光の教団の本部で聖女として崇められるつもりですか!?）
はっとして、口を押さえるジエン。
（やばい、口が滑って…）
ベルハルトがチラッとジエンを見つめます。
光の…？
「暴君の行方」88話の感想と考察
ジエンが魔王の生まれかかもと疑われて、ちょっとハラハラしましたね！
まだ体力の回復していないヘカテが来てくれたおかげで、誤解は解けました。
それにしても、ヘカテは本当にジエンのことを大切に想っていますよね。
2人の関係性が今後、もっと詳しく語られたらいいなと期待しています。
ジェラドもどんな理由があるにせよ、ジエンに目をつけていることは間違いないようです。
今後、ジェラドの攻撃に勝つためには、みんなで話しあって意見のすりあわせが出来て良かったのでは？と思いました。
ただ、ベルハルトのヘカテとジエンの仲の良さに対する、嫉妬のような発言…。
バーリアが静かに微笑んでいるのは、かなり恐怖ですよね？
今までの行動を振り返っても、狩猟大会あたりからどうも行動が逸脱しているような気がします…。
ジエンに何か危害を加えなければいいのですが…。
