「暴君の行方」100話のあらすじやネタバレなど
ベルハルトがジエンの命を!?
そなたが言っていた予言はどこにも記されていない!
(予言が…!?)
ヘカテは驚きます。
書庫のどこかにあると思います、予言は沢山あるので探すのに時間もかかります。
(書庫を整理しろとあれだけ言っていたのに!)
お時間をいただければ、僕が探して持ってきます。ですが、死んだ人間は生き返りません!
幼馴染を守るために、僕と帝国民を欺むくだけではなくて?
…どういう意味でしょう?
そなたはジエンが消滅したはずの抗魔力を持つのだと、狩猟大会で擁護したな。
…はい、そのとおりです。
そなたは魔王城でジェラドの侵入を阻止しており、魔王には会っておらず、首都に着いてからはすぐに倒れてしまった。それなのに、意識を取り戻してすぐに、ジエンの擁護に駆けつけたのはなぜだ?
ジエンに疑いの目が向けられていることを、まるで知っていたかのように。
(…!!)
ヘカテは血の気が引いていくのを感じていました。
もしくは、ジェラドの目的を僕たちに知らせ、ジエンが疑われないように参加したとも考えられる。
ヘカテの額から汗が流れ落ちました。
(しまった!僕の読みが浅かった!!)
ですが、魔王の魂を吹き込む為には、特別な「器」が必要だと聞きました!ジエンの親は人間です!
母親は人間だろうが、父親はわかっていないと言うベルハルト。
天族は何百年も前にこの地を離れたと説明するヘカテ。
ベルハルトはヘカテやジェラドが産まれているではないかと、聞く耳を持ちません。
ジエンの父親が誰かわからない限り、この話は意味をなさない。
バッサリと話をきるベルハルト。
それと、もうひとつ。そなたは僕に嘘をついた。
はい?
意味がわからないヘカテ。
ジェラドがジエンの抗魔力を警戒しているなら、侵略の邪魔になるジエンを僕たちに始末させようとするだろう、ジェラドがジエンを魔王の生まれ変わりだと信じている場合、ジエンが人間に見放されるようにジエンの正体を明かし、ジエンを連れ去るだろう。
これは、そなたがジエンを守らないといけない理由となる。
は、はい…。
ベルハルトの意図がわからず困惑するヘカテ。
それならば、僕たちがジエンを見放すより、この世から消してしまえば?
…そうすれば、ジェラドはこれ以上魔王の生まれ変わりの人間を生かしておく必要がなくなって…。
いいや!
ベルハルトがヘカテの言葉を遮りました。
魔王の生まれ変わりであるジエンが消滅すれば、その「魂」はまた別の「人間」として生まれ変わってくるだろう。ジェラドが人間の体で魔王の生まれ変りを待つことができるのはせいぜい100年程度だろう。
その間は、魔王の生まれ変りを守るため、人間に手出しをしてこないはずだ。
ヘカテは後悔の念を抱きます。
ベルハルトは続けます。
すなわち、ジエンをこの世から消しても、ジェラドは僕たちを攻撃することはできない。ジエンの正体がなんであれ、ジエンを生かしておくのは果たして帝国の為だろうか?
(なんてことなんだ!皇太子の前では、もっと慎重に行動しなければいけなかったのに!!)
そなたのように優秀なものが、この部分を見逃していたのか?あるいは黙っていたか…。
申し訳ございません、気づかずにおりました。どうぞ罰を与えてください…。
気づかずにいた…か。帝国のために最善を尽くしたものを罰するわけにはいかない、予言に関してはもう少し調査してみよう。下がっていい。
…寛大なご対応に感謝します。ひとつだけ伺ってもよろしいでしょうか?
なんだ。
殿下一個人として、帝国のために何の罪もないジエンを犠牲にすることはどうお思いですか?
少し目を見開くベルハルト。
…無意味な質問だ、僕はこの帝国の皇太子だ。
うつむくヘカテ。
…さようでございますか、光のお導きがありますように。
急ぐヘカテ
皇宮を後にするヘカテ。
(ジエン、前世で一体何をしたのですか!)
ヘカテは皇太子がジエンを生かしておくつもりがないことを悟りました。
(早くジエンを逃がさなければ!)
窓から急ぎ足で去っていくヘカテを見ているベルハルト。
ヘカテ大司祭、急いでどこに向かっているのかは、わかっている。
(あのメイドを連れて逃げるのだろう?どうして幼馴染にそこまで?まるで愛の逃避行ではないか)
逃亡できないように兵士を出動させるべきか?
《殿下一個人として、帝国のために何の罪もないジエンを犠牲にすることはどうお思いですか?》
ヘカテの言葉が頭をよぎります。
兵士まで動かす必要はないか。
(いっそこのままどこかに逃げてくれたら…そうしたらこの炎も消えるかもしれない)
ジエンと逃避行!?
マラッタに行く準備をしているジエン。
ナセルとのこともあり、早めに屋敷を出ようと思っています。
ガチャ!扉が勢いよく開きました。
ジエン!
息を切らしてヘカテが入ってきます。
ヘカテ!?どうしたの?すごい汗だよ?
ジエン、今すぐに逃げましょう!
ジエンの荷物を持つヘカテ。
えっ?待って!急にどうしたのよヘカテ。
ヘカテはジエンが魔王の生まれ変りであると疑われていることを話しました。
それは、ジエンの命が危ないと示唆した内容でした。
「暴君の行方」100話の感想と考察
いや~、ベルハルトの歪んだ愛情がニョキニョキと顔を出してきましたね!
どうにかしてジエンを消滅させたい、そうしないと自分だけのものにしたくなってしまうほどの狂った熱情。
これほどまでに恋焦がれるのは、やはり前世の影響なんでしょうね。
ベルハルトとの因縁がどうやって切れてくれるのか、きっとジエンを消滅させたら、それすら永遠に叶わないことでしょう。
ヘカテがジエンを逃がそうとするところまで頭に入れているわけだから、本当は逃がしてあげたいんだと思います。
でもバーリアを利用してしまった以上、やめるとは言い出せないのも事実。
バーリアがどんな手を使ってくるかわかりませんが、とにかく今はヘカテと早く逃げてくれたら安心です。