「暴君の行方」93話のネタバレ
ドレスを着たジエン
遠征成功を祝うパーティーに招かれたジエン。
綺麗なドレスをきて立っています。
(こんなパーティーに初めて参加するけど、退屈だな…)
(厨房で働いている方が臨場感があって楽しいかも)
ジエンに声をかけるカールリス。
ブ…ジエン、せっかくのパーティーなのになんでそんな浮かない顔してるんだ?
カール様!
ジエンの手からシャンパンを取っていきます。
この姿になるのに体力を消耗したようです…。
おまえが疲れるなんてよっぽどだな…。
でも…メイドたちはいい仕事をしたようだ。
着飾ったジエンはメイドとは思えないほどに綺麗です。
(はじめて会ったときのジエンの面影はもうないな…)
最近のジエンは、やたら目立っているせいか、チラチラと男の視線も受けています。
(ジエンは招待客としてパーティーに参加するのは初めてのはずなのに、どうしてこんなにもこの場に馴染んでいるんだ?)
カールリスは不思議に感じていました。
ジエン、せっかくだから俺と踊らないか?
え?
なんだよ?俺とじゃ不満なのか?
いや、私、踊れないんです。
さっきからジエンは何人もの男性から踊りを申し込まれていましたが、全て断っていました。
ふーん、そういえばジエン、これからどうする気なんだ?
なんのことです?
普通の貴族でもいろんな教育を受ける必要があるのに、あの「グレント侯爵」だそ、何年もノイローゼになるんじゃないか?
楽しそうに笑うカールリス。
ジエンは顔面蒼白になって、カールリスの手をつかんで人がいない場所まで走りました。
カールリスを壁ドンをするジエン。
カール様!どうしてそのことを知ってるんです?もうすでに噂に!?
ジエンの顔が近づき動揺するカールリス。
なんで知ってるんです!?
いや…俺って情報通だから…。
もじもじしています。
じゃあ、まだ噂になっているわけではないんですね?
ぱっとジエンが離れます。
あっ!
ジエンが離れて残念そうなカールリス。
(この俺が今の距離でドキドキするとは…)
カールリスとダンス
そうだ、ジエン、グレント侯爵はベルの教育係りだったことを知っているか?
いえ、初めて聞きました。
そうか、実は「鉄血皇太子」と呼ばれているベルを教えたのはグレント侯爵なんだよ。
俺も子供の時に一緒に授業を受けたことがあるが…。
ブンブンと首を横に振るカールリス。
ジエン、グレント侯爵はやめておいた方がいいかもしれないぞ?
俺ならあんな、おっかないじいさん…。
ジエンが横の方をじっと見ています。
娘の教育のことは私が決めますから、カールリス大公子様はどうぞ、何もお気になさらずに。
ぬっとグレント侯爵が現れました。
…。
…。
グ、グレント侯爵…。
私はジエンの奔放な性格を尊重するので、どうか怖がらせることをおっしゃらないようにしてください。
青ざめるカールリス。
くるっとジエンの方を向くグレント侯爵。
ジエン、せっかくおめかししたのに、パーティを楽しめてないようだね?
踊れないので…とジエン。
平民も参加する遠征隊のためのパーティーだから格式など気にする必要はない。
あれを見てご覧なさい。
視線の先を見ると、4、5人で輪になって踊っている男性たちの姿がありました。
あっ…。
それに、ここには踊りの実力では威名も悪名も高い方がいらっしゃるではないですか。
悪名とはひどいです侯爵…とカールリス。
まあ、俺と踊ったら恋に落ちるという噂はあるけどね。
ニコッとキメ顔でジエンに微笑みます。
とにかく、最初は踊りのうまいパートナーを選ぶことが重要だ、でないと踊りに対して苦手意識を持ってしまうからね。
カールリスのことは無視するグレント侯爵。
ジエンは踊れなくていいんだけどと心の中で思っています。
ほら、行こうジエン!
手を引いて歩き出すカールリス。
あ、待ってください!カールさん!!
ジエンの前世の記憶
まわりの視線を感じます。
あれを見て!
まあ、大公子様が…?
コソコソとジエンとカールリスは注目されています。
カールさん、このことは一生忘れませんからね!
あ、うん、初めての踊りの相手が俺だと忘れられないよね!
ニコニコと嬉しそうなカールリス。
(はあ、ほんとうにお調子者なんだから…顔の傷のお詫びってことで…)
横で踊っている人のステップを見るジエン。
(えっと、右足を前に出して、左にターン…)
周りのマネをすれば踊れることに気がつくジエン。
(なんだ、やっぱり私、やればできる子なんだ!)
ジエン、踊りがはじめてって嘘なんじゃないか?
嘘じゃないですよ、村の祭りでみんなで腕を組んで踊ったことがあるくらいです。
それなら、どうして1曲目からこんなに踊れるんだ?
どうしてでしょう…?
ジエンは不思議な感覚にとらわれていました。
豪華なシャンデリア、くるくると楽しそうに踊る男女、色とりどりのドレス…。
(私、この光景、見たことある…)
踊りが終わって、挨拶をする2人。
カールリスが笑いだします。
ジエン、その挨拶の仕方はどこで習ったんだ?完璧だけど男がする挨拶だぞ?
男の挨拶?
(挨拶の仕方なんて習ったことないけど…)
ジエンの脳裏に前世の自分が思い浮かびました…。
「暴君の行方」93話の感想と考察
ドレスを着たジエン、可愛かったですね!
貴族の娘と言われても違和感ないほどです。
メイドからここまで変身するなんて、ジエンは元がやっぱり可愛いんですね。
カールさんのブス癖が直ってないのが、地味に笑えます。
そのジエンにドキドキしちゃうカールさんも、また可愛らしくて良かったです。
踊りが踊れないはずのジエンが、ちょっとステップを真似しただけで、上手に踊れるって前世の自分が覚えているってことなんでしょうか?
男の挨拶もすんなり出てくるのは、そういうことですよね?
ジエンはやっぱり偉大で邪悪な王の生まれ変わりだってことが再確認されました。
カールさんとの悪縁は切れているはずですが、ジエンにドキドキしちゃうのはジエン自身に魅力があるってことですね。
どんどん前世の自分を思い出してくるジエン。
まだナセルとベルハルトとの悪縁はそのままのはずなので、これからどういった展開になるのか気になります!